O-157

暑さだけでなく湿度も相まって北海道らしからぬ夏。
食中毒も気になる季節です。

過去の食中毒の大流行で、その名を轟かした「O-157」。
現在も脅威の的となっていますが、「O-157」は数ある大腸菌の中で157番目に発見された奇形種。
この菌が作り出すベロ毒素はかなりの毒性がありますが、菌自体は実はとてもへなちょこなのです。

ではなぜ弱い菌に怯えなければならないのでしょうか。

「O-157」による食中毒は、衛生面では少々問題があるような発展途上の国ではなく、先進国のようにある程度衛生環境が整った国でしかみられません。
エネルギーをほぼベロ毒素の産生に費やし、生きる力が弱い「O-157」は、他の菌がいないキレイ過ぎる環境でしか生きられないのです。

食中毒の予防にと除菌・殺菌をすることがかえって「O-157」の繁殖の手助けにつながっているというのが現状。
ゆえに我が家の台所では「O-157」の発生はありえないといってもよいでしょう。

一人で生きていると思っていても、実際は沢山の目に見えない常在菌に守られ、共存しながら生きています。
極端に消毒し過ぎた食物を口にする事は、腸内の有益な菌達にも影響が出ます。
腸内では免疫の7割が作られるといいますから、よかれと思ってしている除菌や消毒が返って食中毒を誘発している事になりかねません。

過去の「O-157」大流行時は世界中の消毒剤の4分の1が日本に流れたといいます。
「無菌・無臭がよいこと」という風潮にある除菌王国日本。
 食品の対策はもちろんですが、食中毒予防には整腸を心掛け、抵抗力のある体づくりが何よりです。 

太古の昔から自然や他の生物とうまく共生して来た日本。
もう一度原点に帰り、共存の重要性、あり方を考え直す時期である気がします。